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ダイレクトレスポンスマーケティングは古い?AI時代に残る部分

ダイレクトレスポンスマーケティングとAIを考えるデスク風景

ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)は、古い手法ではありません。古いのは、強い言葉で煽る長いセールスレターの型のほうです。反応を数字で測る、つながった相手のリストを持つ、相手の状態で出し分ける。DRMの中心にあるこの3つは、AIが入った今も残ります。

ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは。見込み客を集め、育て、販売につなげる

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)は、広告などの発信に対し、消費者から直接の反応を得る手法です。新聞広告で商品を知らせ、読者からの注文を待つ形が原型とされています(参考:セプテーニ FOCUS)。起源の年代には諸説あるため、ここでは踏み込みません。一般的には、集客、育成、販売の3段階で説明されます。

■ 集客(リードジェネレーション)
広告などで見込み客を集め、連絡を取れる状態を作る段階です。資料請求やLINEの友だち追加など、相手に1つ行動してもらうことがゴールになります。私の実務では、Meta広告やGoogle広告がこの段階を担っています。

■ 育成(リードナーチャリング)
集めた見込み客に、メールやLINEで情報を届けて関係を深める段階です。広告を見た直後の人は、まだ比較や検討の途中にいることが少なくありません。そこで、悩みの整理や選び方の情報を届け、信頼を積み上げます。LINEのステップ配信(登録した人に、決めた順番でメッセージを自動で送る仕組み)は、この段階を担う道具です。私の実務でも、ここの設計に時間をかけてきました。

■ 販売(コンバージョン)
信頼ができた段階で、商品やサービスを案内します。育成を挟むことで、案内が唐突な売り込みに見えにくくなります。

DRMが古いと言われる理由

DRMが古いと言われる背景について、私が実務で感じている理由は次の3つです。

■ 強い言葉は広告審査を通りにくい
誇張した表現や、成果を約束する表現は、Meta広告などの審査で止められることがあります。強い言葉で煽る文面は、そのままでは配信しにくいものです。昔ながらの煽る型が広告に載せにくくなったことで、DRMそのものが古い手法と見られやすくなっていると感じます。

■ 全員に同じ長い配信は負担になる
全員に同じ内容を何通も送る設計は、受け取る側に負担をかけます。ある継続課金型のサービスで、LINE配信を設計したときのことです。全員に同じ内容を詰め込んで順に送る案には、先方から「くどい」という声がありました。

■ 煽る文面の型だけが広まった
DRMの中心は、反応を測って改善することです。ところが、煽る文面やテンプレートの型だけが広まり、手法全体の印象を下げてしまった面があると感じています。

AI時代にも残るDRMの要素

■ 反応を測って直す
DRMは、消費者から直接の反応をもらう手法です。そのため、反応を数字で測れます。広告のCPA(1件の成果を得るのにかかった広告費)、LINEの登録数、配信ごとの反応。数字を見て直す姿勢は、AIが入っても変わりません。私はデータの点検をAIに任せ、人は打ち手を考えることに集中する分担にしています。

■ つながった相手のリストは資産になる
一度つながった見込み客には、広告費をかけ直さずに情報を届けられます。この考え方は、配信の手段がメールからLINEに変わっても同じです。そのため、配信ツールを移すときも、つながった相手を漏れなく引き継ぐことが最優先になります。

■ 相手の状態に合わせて出し分ける
先ほどの「くどい」という声を受けて、配信は相手の状態ごとに分けました。未会員、無料会員、有料会員の3本立てにし、すでに買っている有料会員には販促を送りません。同じ商品でも、相手が今どこにいるかで届けるべき内容は変わります。通数の決め方や原稿の型は、LINEステップ配信の設計のやり方で詳しく書いています。

AIで変わったDRMの要素

■ 文面の下書きはAIに任せられる
広告文や配信文の下書きは、AIに任せられるようになりました。広告文では、審査を気にせず誇張した原稿をあえて作ります。そのうえで、審査に通る範囲までAIに表現を引き戻させています。詳しくはMeta広告の審査落ちを防ぐ「攻めと安全の2案」AIチェック運用で紹介しました。

■ 訴求の切り口をそろえやすくなった
訴求(広告で打ち出す商品の魅力や切り口)を考えるときは、AIに候補を3つの価値に分けて出させています。機能価値(何ができるか)、情緒価値(気持ちがどう変わるか)、社会的価値(人との関係がどう変わるか)の3つです。こうすると、切り口を短時間でそろえられます。どの切り口を誰に出すかを決めるのは、今も人の仕事です。

■ 設計の手間は減らない
文面を作る速さは上がりました。一方で、誰にどの順番で何を届けるかという設計は、AIに任せきれません。会員の状態を配信ツールに反映する仕組みづくりなど、手間はむしろ設計の側に寄っています。広告側でAIに任せている範囲は、広告運用のAI自動化の全体像で5つの層に分けて整理しました。

まとめ

・DRMは、見込み客を集め、育て、販売につなげる3段階の手法

・古いと言われるのは、煽る文面や、全員に同じ長い配信を送る印象が強いから

・反応を測って直すこと、リストを資産にすること、相手ごとに出し分けることは、AI時代にも残る

・変わったのは文面を作る速さ。そのぶん、設計に時間を使えるようになった

DRMは古い手法ではなく、道具が入れ替わった手法だと私は考えています。

この記事を書いた人

岸本 成(合同会社1nd)

広告運用を起点に、SNS、ホームページ、店舗や施設での集客まで、全体の設計と実践を手がけています。

・2020年:広告運用者として活動を開始。SNSやGoogleマップの運用にも知見があり、広告以外の集客の相談にも数多く応えてきました

・2025年:AI導入支援事業を開始

・2026年6月:FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る専門家)として、集客支援の請負を開始。現在11のクライアント様で実施中

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