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AIコンサルは個人でもできる?FDMとして構築まで担う始め方と注意点

打ち合わせの机に置かれた業務の流れ図とノートパソコン

AIコンサル(会社にAIの使い道を提案し、導入を手伝う仕事)は、個人でもできます。ただ、「こうしたほうがいい」と提言して終わる形は、個人には向かないと私は考えています。向いているのは、作って社内に残すところまで担う形です。

FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る人)という働き方があります。私はコードが書けないまま、この形で企業の現場に入り、集客の仕組みづくりに携わっています。以下は、コンサルの経験がない個人がAIコンサルを始める順番と、続けるうえでの注意点です。

個人のAIコンサルが入る余地はある

「個人のAIコンサルに、わざわざ頼む会社なんてあるの?」と思うかもしれません。手がかりになるのが、信用調査会社の東京商工リサーチが行った生成AIの調査です。2025年7月30日から8月6日に実施し、6,645社が回答しています。

生成AIの活用を会社として推進していない企業に、その理由を聞いています(4,358社が回答)。最も多いのは「推進するための専門人材がいない」で55.1%。次いで「活用する利点、欠点を評価できない」が43.8%と続きました。

・出典:『生成AI』活用は企業の25%にとどまる(東京商工リサーチ・2025年8月18日)

つまり、会社としてAIを進めていない企業の半数以上が、理由に「進める人がいない」を挙げているわけです。同じ企業のうち4割強は、使ったときの良し悪しを社内で見極められずにいます。進める人と見極める人の両方が足りない会社なら、外から手を貸す個人にも相談の余地が出てくるわけです。

提言だけのAIコンサルが止まりやすいのは、実行する人がいないから

一方で、個人がAIコンサルを始めるなら、気をつけたい点があります。

「この業務にAIを使えます」「このツールが合っています」と伝えても、社内に実行する人がいなければ、何も変わりません。相手がAIを会社として進めていない企業なら、調査で半数以上が「進める人がいない」と答えている側なんです。

たとえるなら、家具の組み立て説明書だけを渡して帰るようなものです。説明書がどれだけ正確でも、組み立てる人がいなければ、棚は箱に入ったまま、部屋の隅に置かれたきりでしょう。

Myosin(海外のマーケティング企業)は、コンサルタントの仕事を「課題を診断して、進む道を勧めること」と説明しています。そのうえでFDMの仕事を4つに分け、なかでも業務への組み込みを、多くのAIプロジェクトが飛ばしてしまう部分だと書いています。試作品で見えるのは仕組みが動くことまでで、会社が使えるかは組み込んで初めて分かる、という整理です(Myosinの解説記事)。

人が足りない会社に必要なのは、提言の資料より、動いている仕組みと手順書のほうです。 代理店・コンサルタントとFDMの違いは「FDM(Forward Deployed Marketer)とは。広告運用者の実践例」で比べています。

未経験の個人がAIコンサルを始める順番

「コンサルの経験がないと、そもそも無理なのでは?」と思う方もいるでしょう。提言で終わる形なら、経験の差はそのまま出ます。ただ、作って社内に残すところまで担うなら、相手が見るのは資料の作り方ではなく、動いている仕組みのほうなんです。

私自身、AIを仕事にできるまでに1年以上かかりました。その間に何が足りなかったかは「AI副業で稼げない理由|1年学んでも1円も稼げなかった私とFDM」に書いています。ここでは、そこから先の順番だけを書きます。

■ 自分の業務で、動く仕組みを1つ作る
コンサルを名乗る前に、自分の仕事でAIを使った仕組みを1つ動かしておきたいところです。提案書の出来より、自分の業務で毎日回っている実物のほうが、相手には伝わりやすいものです。

私はコードを書けないので、仕組みはClaude Code(ファイル操作やプログラムの実行まで任せられるAIツール)に作らせています。広告運用で私が作った順番は「広告運用者がClaude Codeで最初に作る3つの仕組みと作る順番」にまとめました。広告以外の仕事から作業を選ぶ手順は「AI副業は何から始める?会社員が自分の仕事で最初に作る仕組み」に書いています。

■ 業種か業務を絞る
「何でもできます」と言うより、業種か業務を絞ったほうが、相手は自分の会社に当てはめて考えやすくなります。「クリニックの集客」「広告運用のレポート」のように、相手の言葉で言える範囲に絞るイメージです。

絞り方は、業種で絞るか、業務で絞るかの二択です。私は業務のほうで絞っていて、広告運用を起点にした集客を入口にしています。業種が変わっても、やることの型が同じだからです。反対に、ある業種の事情に詳しいなら、業種で絞ったほうが話は早く進むでしょう。副業でもフリーランスでも、使える時間には限りがあります。どちらか一方に決めておけば、1社ごとの業務を理解する時間を確保しやすくなります。

■ 最初の案件から、構築と引き継ぎまで引き受ける
提言で止めず、作るところまで引き受けましょう。このとき、誰が受け取るのかは、作り始める前に決めておきます。決めないまま進めると、動かせるのが自分だけという仕組みばかりが増えてしまうんです。

渡すときは、手順書を添えます。その仕組みが何のためのものか、相手が触ってよい範囲はどこまでか、終わったことをどう確かめるか。うまく動かなかったときに元へ戻す手順も、同じ文書に入れておきます。私はこれを指示書やスキル(Claude Codeに読ませる手順書)の形で残しています。何を書くかはFDMの仕事を4つの役割に分けた記事の引き継ぎの節にまとめました。社内の人が自分たちで直せるところまで渡せているかは、いまも課題として残っています。

最初の相手選びで参考になるのが、Myosinの記事に書かれている条件です。FDMが合うのは、営業やマーケティングの流れがすでに回っていて、同じ業務の詰まりが繰り返し起きている会社です。経営陣が関わり、出来上がった仕組みを自分たちで持ちたいと考えていることも、条件として挙げています。反対に向きにくいとされているのは、制作をずっと外に任せたい会社や、中身を見ないまま丸ごと預けたい会社です。1回きりの自動化の試作だけがほしい会社も、向きにくい側に入っています。

受け取る人がいない会社では、作った仕組みは自分の持ち物のままです。最初の案件こそ、渡す相手を決められる会社を選びたいところです。副業で最初の相手をどこで探すかは、「AI導入支援を副業で始める手順|FDMの視点で売るものと相手を決める」に書きました。

個人でAIコンサルをするときの注意点

個人で引き受けると、判断も責任も自分に集まります。会社の看板も、止めてくれる上司もいない分、始める前に自分で決めておきたいのは、次の3点です。

・課題に合わないなら作らない:相手が利点と欠点を自分で見極められないときほど、AIを入れないほうがよい場面は、こちらから伝えます

・相手のデータと数字の扱いを先に決める:社内データの取り扱いのルールと、AIが出した数字を元データと照合する手順は、引き受ける前に決めて作業に組み込みます。同じ調査では、推進していない中小企業の21.4%が「情報漏えいの危険性が拭えない」を理由に挙げました

・専門家の領域には踏み込まない:法律や税務の判断は、弁護士や税理士につなぎます。AIの答えがもっともらしく見えても、その判断に責任を持てるのは資格を持つ人です

提言だけで終えるなら、どれも相手の社内で考えてもらう部分です。構築まで担う以上、自分の毎回の作業に入れておきます。照合そのものの組み方は「広告の月次レポートで数字を間違えないための3つのゲート設計」に書きました。

まとめ

AIコンサルは個人でもできます。東京商工リサーチの調査では、活用を推進していない企業が挙げた理由の最多は「推進するための専門人材がいない」でした。人が足りない会社では、提言だけでは形になりにくいのが現実です。

個人が始めるなら、まず自分の業務で仕組みを1つ動かすところからです。業種か業務を絞ったうえで、最初の案件では構築と引き継ぎまで引き受けます。

最初の一歩は、自分の業務で動いている仕組みを1つ選び、手順書だけで自分以外の人が回せるかを確かめることです。まだ仕組みがなければ、その1つを作るところから始めます。

この記事を監修した人

執筆:Claude Code スキル「ライティング君」

監修:岸本 成(合同会社1nd)

広告運用を起点に、SNS、ホームページ、店舗や施設での集客まで、全体の設計と実践を手がけています。

・2020年:広告運用者として活動を開始。SNSやGoogleマップの運用にも知見があり、広告以外の集客の相談にも数多く応えてきました

・2025年:AI導入支援事業を開始

・2026年6月:FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る専門家)として、集客支援の請負を開始。現在11のクライアント様で実施中

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