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FDEの求人は日本で増えるのか|2026年の国内募集を3つの型で整理

日本地図と求人一覧の画面が並ぶデスクのイラスト

FDE(Forward Deployed Engineer。顧客の現場でAIの仕組みを本番まで作る技術者)の求人は、日本でも出ています。ただ、2026年10月時点で数はまだ数十件で、増え方もゆっくりです。出しているのは、AI企業や国内のIT企業、コンサルティング会社などに限られます。

この記事では、10月に確認できた国内の求人を、誰の現場に入るかで3つの型に分けました。そのうえで中小企業の調査と並べ、日本でこの職種がどこまで広がりそうかを考えます。FDEという職種の意味や年収は、FDEとは?米国で年収3,200万円の職種を、コードが書けない私が解説にまとめています。

日本のFDE求人は、FDE boardの2026年10月の集計で76件

「日本でFDEの求人を探しても、ほとんど出てこない…」と感じた方もいると思います。数を知る手がかりになるのが、FDE board(FDEの求人だけを各社の採用ページから集めたサイト)です。運営は株式会社ウェステリアです。

2026年10月10日の更新で、掲載中の求人は76件、企業は47社でした。掲載企業には、海外のAI・データ企業の日本法人が並んでいます。LayerXやSansanといった国内のIT企業や、コンサルティング会社の名前もありました。

このサイトが採用ページから集めているのは、求人媒体を横断しても職種名の表記が揺れて拾いきれないからだそうです。実際、掲載されている職種名も「FDE」「フォワード・デプロイド・エンジニア候補」などばらばらでした。英語で「Forward Deployed Software Engineer」と書く会社もあります。自分で探すなら、表記を変えて何度か検索することになります。

9月21日の集計では74件でした(求人の年収を比べた記事で紹介)。3週間ほどで2件の増加です。どの会社にもある職種ではなく、出している会社をまだ名前で数えられる段階だといえます。

国内のFDE求人は3つの型に分かれる

確認できた求人を、誰の現場に入るのかで分けると、次の3つです。いずれも、2026年10月15日に掲載を確かめました。

先に共通点を書いておくと、3つの型の求人はどれも、開発の経験がある人を想定しています。OpenAIは、顧客対応を含む5年以上の開発や技術導入の経験を、活躍できる人の例に挙げていました。JDSCは2年以上、JAPAN AIは3年以上の開発経験が必須です。RevCommはシステム同士かデータの連携の経験を、マネーフォワードは生成AIを使った開発の経験を求めています。

■ 海外AI企業の東京拠点が、重要な顧客に入る型(OpenAI)
OpenAIの東京拠点は、FDEを採用ページで募集中です。入る先は、OpenAIにとって戦略上もっとも重要な顧客です。日本語と英語の両方で話せて書けることが必須で、出張は主に国内とされていました。

同じ東京では、FDEのチームを率いるマネージャーの募集もあります。Deployment Lead(FDEや研究者を束ねて、顧客への導入全体を進める役)の募集も出ていました。求人票の仕事内容は、先に挙げたFDEの解説記事で日本語に訳しています。

■ 国内のAI企業が、顧客企業の現場に入る型
国内企業の求人では、次のような例がありました。

・JDSC:課題の発見から設計・実装・運用改善までをリードするFDE。想定年収は自社の採用ページで500万〜2,500万円(採用ページ)。ビズリーチ(転職サイト)に出ている同社の求人では800万〜2,500万円

・RevComm:標準機能では解決できない顧客固有の課題を、技術設計・データ統合・AIの活用で解決するFDE(採用ページ)

・JAPAN AI(ジーニーのグループ会社):LLM(ChatGPTやClaudeのような文章を扱うAIの土台)やAIエージェント(指示を受けて作業を自分で進めるAI)を組み合わせ、試作で終わらせずに本番で動かすFDE(採用ページ)

RevCommとJAPAN AIが探しているのは、自社のAI製品を顧客の業務に合わせ込む人です。2社とも、1社で得た知見を製品やほかの顧客でも使える形に戻すところまで、仕事に含めていました。JDSCは、顧客ごとにAIの仕組みを構想の段階から作る形です。

■ 自社の事業部に入る「社内FDE」の型
マネーフォワードは、AX推進本部(全社のAI活用を進める部署)でFDEを募集しています(求人ページ)。こちらが入るのは、社外の顧客ではありません。自社の各事業部に入り込み、生成AIを使った課題解決の試作品を作る役割です。想定年収は790万〜1,500万円とされています。

「現場」を社内の別の部署に置くFDEも、国内ではすでに出てきているわけです。

日本でFDEは増えるのか。増えそうな理由と、届きにくい場所

需要の側から見ると、FDEが埋めようとしている隙間は日本にもはっきりあります。大同生命保険は2026年1月に、全国の中小企業の経営者5,082社に生成AIの活用状況を聞きました。活用したことがない企業は、いまは使っていない企業も含めて6割を超えています(大同生命サーベイ 2026年1月度)。

導入に悩む企業ほど、人材やノウハウの不足を課題に挙げていました。この調査は、AI導入支援を副業で始める記事でも詳しく取り上げています。使い方が分からない会社の現場に入り、業務に合わせて仕組みを作るのがFDEの仕事です。調査に出てきた悩みとは、ぴったり重なりますよね。

一方で求人の側を見ると、FDEが入る先は限られています。OpenAIの求人が相手にしているのは、戦略上もっとも重要な顧客です。国内企業のFDEも、入るのは自社のサービスを使う顧客か、自社の事業部でした。

たとえるなら、腕のいい出張シェフは大きな宴会には呼ばれます。けれど、町の定食屋の厨房に毎週通ってくれるわけではありません。社員が数人から数十人の会社がFDEを雇う場面も、大手のFDEに来てもらう場面も、今の求人からは見えてきませんでした。

求人を見る限り、日本のFDEはAI企業と大手の中で広がっている段階です。生成AIを活用していない6割超の中小企業の現場まで、エンジニアのFDEが届くのはまだ先になるでしょう。

中小企業の現場には、エンジニア以外の「現場に入る人」が先に要る

「求人を見る限り、エンジニアでないと無理そう…」と思った方もいるかもしれません。FDEに限れば、その見方は求人の条件どおりなんです。

ただ、現場に入る働き方そのものは、エンジニアだけのものではありません。私もコードは書かないまま、医療系のクリニックなど中小企業の現場に入っています。2026年6月からは、FDM(顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る人)として働いているんです。

FDMになる前は、AIを1年ちょっと学んでは試していました。それでも、学んだAIの技術を売って得たお金は、1円もありませんでした。向きを変えたのは、FDEという職種を知ってからです。技術を売るのではなく、相手の現場に入って仕組みを残す形なら、肩書きの無い私にも道があると思えました。その時期のことは、AI副業で稼げない理由|1年学んでも1円も稼げなかった私とFDMで振り返っています。

コードを書く作業は、Claude Code(ファイル操作やプログラムの実行まで任せられるAIツール)が受け持ちます。業務用に自作したスキル(AIに作業手順を覚えさせる仕組み)は、40を超えました。

中小企業の現場で求められているのは、高度なシステムより、今の業務でAIが使える状態です。たとえば、広告のデータを毎朝まとめる、問い合わせへの返信のたたき台を作る、といった仕組みです。こうした現場に入る人は、エンジニアでなくても務まる場面があります。広告やマーケティングのように自分の職種で経験を積んだ分野なら、その経験ごと持ち込めます。

FDMがFDEとどう違うのかは、FDMとFDEの違い|マーケの現場に入る2つの職種を4つの観点で比較で比べました。コードを書かずに仕組みを作る働き方は、マーケティングエンジニアとは。コードを書けない私がAIで担う仕事に書いています。

まとめ

日本のFDE求人は、2026年10月10日の集計で76件・47社と、まだ会社の名前を挙げられる規模です。型は、海外AI企業の東京拠点、国内のAI企業の顧客向け、自社の事業部に入る社内FDEの3つに分かれます。

どの型も、開発の経験がある人を想定しています。入る先は、大手AI企業の重要な顧客か、自社のサービスを使う顧客、自社の事業部でした。生成AIを活用していない中小企業が6割を超える状況に、すぐ届く形にはなっていません。エンジニアとして応募するなら、3つの型のうち自分の経験に近い求人から当たるのが近道です。エンジニアでない方は、FDEの求人が増えるのを待たなくてもかまいません。自分の職種の経験を持って中小企業の現場に入るほうが、入口は見つけやすいと思います。

この記事を監修した人

執筆:Claude Code スキル「ライティング君」

監修:岸本 成(合同会社1nd)

広告運用を起点に、SNS、ホームページ、店舗や施設での集客まで、全体の設計と実践を手がけています。

・2020年:広告運用者として活動を開始。SNSやGoogleマップの運用にも知見があり、広告以外の集客の相談にも数多く応えてきました

・2025年:AI導入支援事業を開始

・2026年6月:FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る専門家)として、集客支援の請負を開始。現在11のクライアント様で実施中

目的に合わせて、次のページもご覧ください。

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