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AI導入支援を副業で始める手順|FDMの視点で売るものと相手を決める

小さな事務所で、ノートパソコンの画面を見ながら業務の流れを確認する二人

AI導入支援(会社の業務にAIを取り入れる手伝い)を副業で始めるなら、最初に決めるのは「何を売るか」です。売るのはAIの知識ではなく、相手が毎回やっている作業が1つ減った状態だと私は考えています。

私は2025年にAI導入支援を始めました。自分の仕事は速くなり、情報も増えましたが、AIのスキルそのもので稼いだお金は1円もありません。いまは顧客の現場に入って仕組みを作る形で、集客の仕組みづくりに携わっています。この記事では、その遠回りから見えた始め方を、順番に書きます。

AI導入支援で売るものを、入力と出力の1文で決める

「AIの導入をお手伝いします」と言われても、相手は何を頼めばいいのか分かりません。「AIで何ができるか」の説明を聞いても、相手が知りたいのは自分の仕事がどう変わるかなんですよね。

そこで、売るものを入力と出力の1文で書きます。何を受け取って、何を出すのかが分かる文です。

・例:広告の成果データを受け取り、改善の候補を一覧で出す

・例:毎週の売上の表を受け取り、前の週との差をまとめて出す

1文にできないなら、売るものはまだ決まっていません。副業で使える時間は限られるので、最初は1文を1つに絞るのが現実的です。

最初の仕組みは、自分の仕事の「読むだけ」の作業で作る

売るものが決まったら、いきなり人に売らず、自分の仕事で同じ仕組みを1つ作ります。作った仕組みは、相手に「こういうものを作れます」と見せるときの材料にもなります。

最初に選ぶのは、ファイルを書き換えない「読むだけ」の作業です。表計算データの集計や、資料の要約がこれにあたります。私も広告運用の自動化では、データを読んで異常や変化を洗う点検の役を分け、書き換えはさせていません。分け方は「AIに任せる範囲を3段階で決める|広告運用の権限マトリックス」にまとめました。

作るときに、1つだけ決めておきたいことがあります。合計や前月比はスクリプト(計算を自動で行う小さなプログラム)で出し、元のデータと照合する決まりです。AIは、数字を暗算に近い形で書くことがあるからです。

「でも、コードが書けないと仕組みは作れないのでは?」と思うかもしれません。私はコードを書けません。仕組みはClaude Code(ファイル操作やプログラムの実行まで任せられるAIツール)で作っています。一発では動かず、エラーをそのまま貼り付けて直させる往復を何度も繰り返してきました。

最初の相手は、身近なところから探す

自分の仕事で仕組みが1つ動いたら、相手を探します。副業で現実的なのは、次の3つの場所です。

・今の勤め先や取引先:業務の流れをすでに知っている。勤め先の場合は、副業の規定を先に確認する

・知り合いの事業主:個人事業主や小さな会社。困っている作業を直接聞ける

・クラウドソーシング(仕事を発注したい人と受けたい人をつなぐサービス):実績が無くても応募できる

私がWebライターを始めたころは、ランサーズで仕事を探していました。どこで探す場合も、出すのは「AIの使い方を教えます」ではなく、最初に決めた入力と出力の1文です。

身近な会社に需要があるのかは、調査からも分かります。大同生命保険は、全国の中小企業経営者に生成AIの活用状況を聞いています(2026年1月の調査)。「活用したことがない」「現在は活用していない」と答えた企業は62%でした。導入に悩んでいる企業では、3つの課題が導入済みの企業より大きくなっていました。「詳しい人材がいない」「ノウハウがない」「どの業務に活用できるか分からない」の3つです。

・出典:大同生命サーベイ 2026年1月度「中小企業の生成AI活用」(大同生命保険)

この調査は、神戸大学経済経営研究所の柴本昌彦教授が監修しています。柴本教授は、導入のコツとして「身近な定型業務で成功体験を積む」ことを挙げていました。副業で引き受ける最初の仕事も、この大きさがちょうどいいんです。 大きな業務改革ではなく、毎週決まって発生する作業を1つ減らすところから始めます。

作った仕組みは、使われる状態にして渡す

仕組みは、作っただけでは相手の業務に残りません。誰が、いつ、何を見るのかを決めて、手順書と一緒に渡します。

海外のマーケティング企業Myosinは、FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る人)の仕事を4つに分けています。判断、構築、業務への組み込み、引き継ぎです(Myosinの解説記事)。AI導入支援を副業で始める場合も、最後の2つを省くと、作った仕組みは相手の業務に残りません。

渡す前に確かめたいことは、次のとおりです。

・相手の顧客情報などを扱うなら、取り扱いのルールを始める前に決めておく

・AIが出した数字は、元のデータと照らし合わせる手順を手順書に入れる

・自分がいないと回らない仕組みにしない

副業の弱点は、使える時間の少なさです。自分が呼ばれないと止まる仕組みは、本業が忙しい週に止まるおそれがあります。

まとめ

AI導入支援を副業で始めるときの入口は、売るものを入力と出力の1文で決めることです。次に、自分の仕事の読むだけの作業で同じ仕組みを作り、数字は計算で出して照合する決まりを入れておきます。相手は勤め先や知り合いの事業主など身近なところで探し、作った仕組みは手順書と一緒に、相手だけで回る状態にして渡します。

今日できる最初の動作は、自分が毎週くり返している作業を1つ選び、「何を受け取り、何を出すか」を1文で書くことです。FDMという働き方の全体像は「AIを仕事にしたい方へ|FDMという働き方と身につけたい力」にまとめています。

この記事を監修した人

執筆:Claude Code スキル「ライティング君」

監修:岸本 成(合同会社1nd)

広告運用を起点に、SNS、ホームページ、店舗や施設での集客まで、全体の設計と実践を手がけています。

・2020年:広告運用者として活動を開始。SNSやGoogleマップの運用にも知見があり、広告以外の集客の相談にも数多く応えてきました

・2025年:AI導入支援事業を開始

・2026年6月:FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る専門家)として、集客支援の請負を開始。現在11のクライアント様で実施中

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