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Claude Codeのスキルを広告運用で40個作って分かった設計の型

Claude Codeスキルの設計を示すデスクの風景

Claude Codeのスキルは、作るだけなら数分でできます。難しいのは「毎日使っても壊れないスキル」にすることです。私は広告運用(Meta広告・Google広告)の実務でClaude Codeを使っています。手元のスキルは40個を超えました。審査チェック、除外キーワードの候補出し、広告文の作成、月次レポート、動画の台本。日々の作業のほとんどがスキル経由で動いています。

作って壊して直すうちに固まった、壊れないスキルの条件は5つです。

・1スキル1入力1出力にする

・呼び出し語を自分の口癖で書く

・数字はスクリプトに計算させる

・客先に出るものは別の担当にレビューさせる

・正解サンプルを1組同梱する

作ってはみたものの使わなくなったスキルは、だいたいこのどれかが抜けています。

Claude Codeのスキルとは何か。広告運用者向けの最短説明

スキルは、Claude Codeに読ませる手順書のフォルダです。中心にあるのはSKILL.mdというテキストファイル。そこに「どんな依頼が来たら発動するか」「何を入力に何を出力するか」「守るルール」を日本語で書きます。必要なら参考資料(references)と、集計などを行うスクリプト(scripts)を同じフォルダに置きます。

プログラミングの知識は要りません。私のスキルの中のスクリプトは、すべてClaude Codeに書かせたものです。私が書いているのは、依頼の言い方と、判定の基準と、完了の条件だけです。

導入そのものと、権限やバックアップなどの安全設定は非エンジニアがClaude Codeを入れるときの設定と安全策にまとめました。

置き場所と最小の形だけ示しておきます。フォルダは自分のホーム直下の「.claude/skills/スキル名/」で、その中にSKILL.mdを置きました。作業フォルダ側の「.claude/skills/」に置くこともでき、その場合はそのフォルダで作業しているときだけ読み込まれます。SKILL.mdの先頭に、名前(name)と「どんな依頼で発動するか」の説明文(description)を書きます。その下は、手順やルールを日本語で続けるだけです。最初はこの1ファイルで十分に動きました。

スキルに書くべきは手順ではなく「判定基準と完了条件」

最初に作ったスキルは、作業手順を上から順に並べただけでした。これは動くものの、少し違う依頼が来ると崩れます。手順は状況で変わりますが、判定基準と完了条件は変わらないからです。

いま私のスキルの冒頭には、次の2行に相当する内容を置いています。例に出てくるCSVとは表形式のデータファイル、LPとは広告の遷移先ページ(ランディングページ)のことです。

・入力と出力を1文で言う(例:検索語句レポートのCSVと対象LPを受け取り、除外候補をチェック付きのHTMLで出す)

・「完了」と言える条件を書く(例:元CSVの合計と成果物の合計が一致し、候補が2軸に分かれている)

この2行があるだけで、Claude Codeは途中で迷ったときに完了条件へ戻ってきます。手順の細部はClaude Codeが埋めてくれます。

40個回して固まった設計の型は5つ

■ 1スキル1入力1出力にする
「広告を全部よくするスキル」は作れません。除外キーワードの候補出し、RSA(レスポンシブ検索広告)の広告文案、品質スコアの監査は、入力も出力も違います。そこで別のスキルにしています。分けると、あとで直すときに他が壊れません。Meta広告の審査チェックも、テキストの審査と画像要素の審査で役割を分けています。詳しくはMeta広告の審査落ちを防ぐAIチェック運用に書きました。

■ 呼び出し語は自分の口癖で書き、発動させない条件も書く
SKILL.mdの説明文には、自分が実際に言う言葉をそのまま入れます。「除外KW出して」「◯月のレポート作って」といった口語です。きれいな定義文より、口癖のほうが発動が安定します。

同じくらい大事なのが、発動させない条件です。以前、レポート作成のスキルと成果分析のスキルが同じ依頼に反応し、違うほうが動いたことがありました。以来、説明文には「似た依頼でも◯◯の場合は別スキルが担当」という一文を毎回入れています。

■ 数字はスクリプトに計算させ、文章に手打ちさせない
広告レポートで何より怖いのは、数字の転記ミスです。AIに「合計を出して」と頼むと、暗算に近い形で数字を書いてしまうことがあります。私のスキルでは、合計や前月比などの計算はすべてスクリプトで行います。計算結果はJSON(プログラムが読み書きしやすい形式のテキストファイル)に書き出し、そこから成果物に流し込む構造です。

さらに、納品前に元CSVの合計と成果物の合計をスクリプトで突き合わせ、全部一致するまで完了扱いにしません。この仕組みを入れてから、数字の事故はほぼ止まりました。データ収集側の話はGoogle広告・Meta広告のデータを毎朝自動収集する仕組みの作り方にまとめています。

■ 客先に出るものは別の担当者にレビューさせる
自分で書いた文章は、自分では直せません。AIも同じで、書いた流れのままレビューさせると甘くなります。そこで、客先に出る成果物は「書いたのとは別の新しい担当者(サブエージェント)」に渡します。チェックリストに沿って、PASSかFAILで判定させる形です。FAILのときは「どの箇所が、どの基準に」触れるかを書かせ、直してから再レビューです。

■ 正解サンプルを1組同梱する
スキルを直すと、以前できていたことが静かに壊れることがあります。対策として、入力例と期待する出力の1組(正解サンプル)をスキルのフォルダに置いています。改修のたびに同じ結果が出るか確認するためです。壊れたことに気づけるだけで、改修が怖くなくなります。

失敗から足したルール

型のいくつかは、失敗があって初めて入ったものです。3つだけ挙げます。

「任意」を残さない。改善提案のスキルが「必要なら追加」のような項目を出し、受け取った側から「どちらにすべきか迷う」という声がありました。いまは「判定は決め切る、迷うなら様子見と書く」をルールにしています

集計の前に元データを疑う。ある月次CSVで同じ行が二重に入っていて、集計は正しいのに合計が合わない事故がありました。転記の照合だけでは足りず、集計前に元データの整合を機械チェックする工程を足しています

用語集を持つ。私の造語や社内の略語をAIが別の意味に取り、同じ誤解を何度か繰り返しました。取り違えやすい語は、スキルとは別の共通ファイルに「この語はこういう意味」と書いておきます

スキルを育てる仕組み。編集のたびに9項目を確認する

スキルは作って終わりではなく、使いながら直すものです。ただ、直すたびに抜けが出るので、SKILL.mdを編集したら自動で確認リストが出る仕掛けを入れています。項目は次の9つです。

・入力と出力を1文で言えるか

・呼び出し語は自分の言い方か。誤発動の防止条件はあるか

・既存スキルと担当が重ならないか

・出力の形式と保存先が固定されているか

・正解サンプルがあるか

・入力がおかしいとき、黙って進まず止まるか

・数字を扱うなら照合の工程があるか。客先に出るならレビューがあるか

・投稿や送信など戻せない操作の前に確認を挟むか

・置き場所は正しいか。クライアント固有の値を本文に書いていないか

この9項目は、スキルが増えるほど効きます。40個を超えても運用が破綻していないのは、この確認があるからです。

まとめ

・スキルに書くのは手順ではなく、判定基準と完了条件

・型は5つ。1スキル1入力1出力、口癖の呼び出し語と非発動条件、数字はスクリプトと照合、別担当のレビュー、正解サンプル

・失敗のたびにルールを足し、編集のたびに9項目で確認する

スキルは、広告運用をAIに任せていく仕組みの土台にあたります。データ収集から点検、レポート、審査チェックまでがどうつながっているかは、広告運用をAIで自動化する全体像に整理しました。

コードが書けなくても、ここまでは作れます。最初の1個は、自分がよくやる作業の「入力と出力」を1文にするところから始めてみてください。

この記事を書いた人

岸本 成(合同会社1nd)

広告運用を起点に、SNS、ホームページ、店舗や施設での集客まで、全体の設計と実践を手がけています。

・2020年:広告運用者として活動を開始。SNSやGoogleマップの運用にも知見があり、広告以外の集客の相談にも数多く応えてきました

・2025年:AI導入支援事業を開始

・2026年6月:FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る専門家)として、集客支援の請負を開始。現在11のクライアント様で実施中

目的に合わせて、次のページもご覧ください。

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