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AIで稼ぐ方法の現実|作業の代行とFDM、2つの方向を比べて選ぶ

二手に分かれた道の分岐点に立つ道しるべ

AIで稼ぐ方法は、細かく分ければいくらでもあります。ただ、向きで分けると2つです。1つは、AIで作業を速くして、量をこなす方向。もう1つは、顧客の現場に入り、AIを使った仕組みを残す方向です。

私は前者を1年ちょっと続けましたが、AIのスキルそのものでは1円にもなりませんでした。いまは後者の形で、クライアントの集客の仕組みを作る側に回りました。この記事では、2つの方向それぞれの現実を並べます。

AIで稼ぐ方法は、2つの方向に分けると選びやすい

「AIで稼ぐ方法」で調べると、たくさんの方法が並んだ記事が出てきます。文章作成の代行、画像や動画の制作、ブログ、教材の販売などです。

並んでいる方法はばらばらに見えますが、多くは同じ向きを向いています。AIで自分の作業を速くして、作ったものを納品するか、売る方向です。この記事ではこちらを「方向1」、つまり作業の代行と呼びます。

もう1つの「方向2」は、顧客の現場に入って課題を見つけ、AIで仕組みを作り、相手の業務に組み込んで残す方向です。技術者ならFDE(Forward Deployed Engineer。顧客の現場に入り、AIで解決策を作って実装する技術者)と呼ばれます。マーケティングの領域なら、FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る人)です。

どちらが正しいという話ではありません。料理にたとえてみます。方向1は、頼まれた一皿を速く作って出す仕事です。方向2は、相手の台所に入って、次からその家の人が自分で作れる状態にする仕事です。始めやすさも、つまずく場所も違います。順に見ていきます。

作業を速くして量で稼ぐ方向の現実

方向1の良いところは、始めやすさです。AIのツールとパソコンがあれば、今日から手を動かせます。

一方で、増えるのは同じことができる受け手だけではありません。発注する側も同じAIを持っています。料理でいえば、同じレシピと同じ厨房が、お客さんの家にも置かれた状態です。速さだけの仕事が値段を保ちにくい理由は「AI副業で稼げない理由|1年学んでも1円も稼げなかった私とFDM」に書きました。

「AIを使えば量はいくらでも出せるのでは?」と思うかもしれません。私はこのブログの記事を、AIで1日30本以上書いたことがあります。その日のうちに公開まで進めたのは3割ほどで、残りはいったん下書きで止めました。量を出すことはできても、事実の確認や仕上げの手間は残りました。くわしくは「AIで1日30本超書いて分かったこと|公開できたのは3割だった」に書いています。

方向1で売っているのは、AIで速くなった「作業」です。 速さが当たり前になるほど、作業の値段は上げにくくなります。

顧客の現場に仕組みを残す方向の現実

方向2で売るものは、作業ではなく、相手の社内で回り続ける仕組みです。

マーケティング会社のMyosinは、外から入る人を「何を残すか」で分類しています。Myosinの解説記事によると、代理店が届けるのはマーケティングの成果物、コンサルタントは分析と提言です。FDMは、会社の中に「自分たちで回せる力」を作ります。広告運用の現場で実際に何をしているかは「FDM(Forward Deployed Marketer)とは。広告運用者の実践例」にまとめました。

この方向の大変なところは、相手の業務を理解するところから始まる点です。どの作業に毎回時間がかかっているのか、数字はどこにあるのかを知らないと、作るべき仕組みが決まりません。作ったあとも、相手の毎日の流れに組み込まれて初めて意味が出ます。

方向2も、仕組みを作れれば仕事が来るわけではありません。現場に入れてもらう最初の相手を見つけるところに、いちばん時間がかかります。どこから声をかけるかは「AI導入支援を副業で始める手順|FDMの視点で売るものと相手を決める」に書きました。

方向2で必要なのは、コードを書く力ではありません。私が使っているのはClaude Code(ファイル操作やプログラムの実行まで任せられるAIツール)です。日本語の指示を往復させながら、仕組みを組み上げます。効くのは、相手のどの作業を仕組みに変えるかを決められることのほうなんです。

名乗れる肩書きも、人に見せられる実績も、いまもありません。それでも、この向きなら進めると思えたので、2026年6月からFDMとして働いています。経緯は「AIを仕事にしたい方へ|FDMという働き方と身につけたい力」に書きました。

中小企業には、AIを業務に組み込む人が足りない

「AIを使っていない会社は、もう残っていないのでは?」と思うかもしれません。方向2の仕事があるのは、AIをまだ業務に使えていない会社が多いからです。

生成AIを業務に取り入れている中小企業は、3社に1社ほどです。大同生命保険が2026年1月に全国の中小企業の経営者へ聞いた調査では、「業務へ取り入れている」の回答が33%でした。従業員の少ない会社ほど割合は下がり、業種別では建設業と運輸業が他より低く出ています。

無料のツールだけで始めている会社も少なくありません。生成AIにかける年間予算は、ほぼ半数の企業が「無料ツールのみ(0円)」と答えました。高いツールを入れれば進む、という段階ではないわけです。

同じ調査は、必要な支援策も聞きました。導入を検討中の企業と「わからない」と答えた企業では、3つの支援策の割合が、すでに取り入れている企業より高く出ています。「活用事例の紹介」「低コストで利用できるツールやサービスの提供」「専門家による相談・サポート体制の整備」の3つです。

・出典:大同生命サーベイ(2026年1月度調査)「中小企業の生成AI活用」/数字は調査レポート(PDF)のQ5(調査期間は2026年1月5日〜1月30日)

AIのツールそのものは、誰でも使えます。足りていないのは、ツールそのものより、どの業務に使うかを決めて、現場に組み込む人なんです。

まとめ

AIで稼ぐ方法は、作業を速くして量をこなす方向と、顧客の現場に仕組みを残す方向に分かれます。方向1は始めやすい一方で、速さが当たり前になるほど作業の値段を上げにくい点が弱みです。方向2は相手の業務を理解するところから始まる代わりに、売るものが作業ではなく、社内で回る仕組みに変わります。

私が選ぶのは方向2です。方向1で1年ちょっと試して、AIのスキルそのものでは1円も稼げませんでした。方向2を選ぶなら、次にやることは1つです。直近3か月で請けた仕事を並べて、相手の社内に何かが残ったものと、納品して終わったものに分けます。残ったものが0件なら、いま売っているのは方向1の作業です。

この記事を監修した人

執筆:Claude Code スキル「ライティング君」

監修:岸本 成(合同会社1nd)

広告運用を起点に、SNS、ホームページ、店舗や施設での集客まで、全体の設計と実践を手がけています。

・2020年:広告運用者として活動を開始。SNSやGoogleマップの運用にも知見があり、広告以外の集客の相談にも数多く応えてきました

・2025年:AI導入支援事業を開始

・2026年6月:FDM(Forward Deployed Marketer。顧客の現場に入り、AIとマーケティングで集客の仕組みを作る専門家)として、集客支援の請負を開始。現在11のクライアント様で実施中

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